macOS Tahoe 26.7の再インストール作業中、旧環境と新環境、二つのTime Machineバックアップを残しておきたくなった。
手元にあったのは1TBの外付けSSD。
最初に、それまで内蔵SSDで使っていたmacOS 15.8環境をTime Machineでバックアップ。
その後Tahoeの再構築が順調に進み、
「正常に動いている26.7環境も、この状態で保存しておきたい」
と思い始めた。
そこで同じSSDのAPFSコンテナ内にもう一つAPFSボリュームを作り、二つのTime Machineバックアップを保存することにした。
最終的な構成は、
TM_15.8
macOS 15.8使用時の最終環境
TM_26.7_Save
正常動作を確認したmacOS Tahoe 26.7環境
というもの。
ただし後述するように、Time MachineにはmacOSそのものがバックアップされているわけではない。
まずTerminalでSSDの構成を確認
いきなりディスクユーティリティで操作する前に、Terminalで現在のディスク構成を確認した。
使用したのは、
diskutil list
さらにAPFSの構成を見る場合は、
diskutil apfs list
特定の物理ディスクを詳しく確認するなら、
diskutil info diskX
※diskXはMacの環境や接続状態によって変わる。記事中の番号などをそのまま入力せず、必ず自分の環境で確認すること。
ここで、
目的のSSDがどの物理ディスクなのか
その中のAPFSコンテナはどれなのか
既存のTime Machineボリュームはどこにあるのか
という関係を確認しておく。
ディスクユーティリティで操作する前に、
物理ディスク → APFSコンテナ → APFSボリューム
という構造を把握しておいた方が安心だ。
パーティションを二分する必要はない

今回のポイントはここ。
昔なら1TB SSDを500GB+500GBなどの固定パーティションに分割したくなるところだが、APFSでは一つのコンテナ内に複数のAPFSボリュームを作成できる。
同じコンテナ内のAPFSボリュームは空き容量を共有し、必要に応じて容量が割り当てられる。
そこで今回は固定パーティションを作らず、
一つのAPFSコンテナに二つのAPFSボリューム
という構成にした。
Appleも、APFSでは同一コンテナ内の複数ボリュームが空き容量を共有する仕組みであると説明している。
ディスクユーティリティで二つ目のボリュームを追加
「ディスクユーティリティ」を起動。
必要なら「表示」からデバイスを含めた階層が分かる表示にして、対象SSDを確認する。
既存のAPFSボリュームを選択し、ツールバーの「ボリュームを追加(+)」から新しいAPFSボリュームを作成する。これはAppleが案内しているAPFSボリューム追加手順でもある。
今回、新しいボリュームには、
TM_26.7_Save
という名前を付けた。
容量の「予約」や「割り当て」は設定せず、二つのAPFSボリュームでSSDの空き容量を共有させている。
これで、
外付けSSD
└─ APFSコンテナ
├─ TM_15.8
└─ TM_26.7_Save
という構成になった。
なお、空き容量を共有するということは、一方のボリュームが大量に容量を消費すれば、もう一方で使える容量も減るということ。
長期間二つのTime Machineバックアップを成長させ続ける用途なら、容量制限なども検討した方がよい。
今回は二つとも「特定時点を保存する」ことが目的なので、容量制限は設定していない。
ここで旧Time Machine保存先を外す
今回の使い方では、ここが重要。
Time Machineには複数のバックアップ先を登録する機能があり、複数登録するとバックアップ先をローテーションして使用する。
しかし今回は、
TM_15.8は15.8使用時の状態で保存しておきたい。
そのため15.8のバックアップ完了を確認したら、
システム設定 → 一般 → Time Machine
を開き、TM_15.8をバックアップ先から外しておく。
macOS TahoeではTime Machine設定からバックアップディスクを削除し、「バックアップ先を解除(Forget Destination)」することができる。
ここで行いたいのはSSDやボリュームの「消去」ではなく、Time Machineの現在のバックアップ先から外すこと。
これによりTM_15.8を以後の通常バックアップ先として使わず、15.8使用時に作成したバックアップを保存しておく。
新しいボリュームをTime Machineに登録
続いて、
システム設定 → 一般 → Time Machine
を開き、「バックアップディスクを追加」から新しく作ったTM_26.7_Saveを選択する。
そしてTahoe 26.7環境をTime Machineでバックアップ。
今回の目的は日常的なTime Machine運用ではなく、
「この状態なら正常に動いている」
と確認できた時点を保存すること。
バックアップ完了後はSSDを安全に取り出し、Macから物理的に取り外して保管した。
「違うOSを二つ保存」の意味には注意
ここは非常に重要。
このSSDの中に、
macOS 15.8そのもの
macOS 26.7そのもの
という二つの起動可能なOSが保存されているわけではない。
Time MachineではmacOSのシステムファイルそのものはバックアップされず、アプリ、ユーザーアカウント、設定、書類などをバックアップする。システムが破損した場合などは、まずmacOSを再インストールし、その後Time Machineバックアップから移行アシスタントを使って情報を戻すのが現在のmacOSの基本的な復旧方法となる。
つまりTM_15.8は、
「これを接続すればmacOS 15.8から起動できる」
というものではない。
今回のように特定バージョンのmacOS環境へ戻すことまで考えるなら、Time Machineバックアップとは別に、目的のmacOSを再インストールする手段も確保しておいた方がよい。
Appleも、特定バージョンのmacOSを将来再インストールする場合などには、経験のあるユーザー向けの方法として起動可能なインストーラを案内している。
一台のSSDなので「二重バックアップ」ではない
もう一つ注意。
TM_15.8とTM_26.7_Saveは別々のAPFSボリュームだが、物理的には同じSSDに入っている。
したがってSSDそのものが故障すれば、当然両方とも失われる。
これはディスク故障などに備えるための「二重バックアップ」ではなく、
異なる時点・異なるmacOS使用環境の復旧ポイントを、一台のSSDに分けて保存しておく方法
と考えた方が正確だ。
重要なデータについては、別の物理ディスクやクラウドなど、別系統のバックアップも用意しておきたい。
バックアップディスクの容量について
Appleでは通常のTime Machine運用について、Mac本体のストレージ容量の2倍以上を目安としたバックアップストレージを案内している。
例えばMac本体が1TBなら、2TB以上のバックアップディスクが理想的としている。
今回使用したSSDは1TBで、Mac miniの内蔵SSDも1TB。
しかも、そのSSDに二つのTime Machineバックアップを保存しているので、通常のTime Machine運用として考えれば余裕のある容量とは言えない。
ただし今回の目的は、日々バックアップ履歴を積み重ねていくことではなく、
「macOS 15.8使用時の最終状態」
「正常動作を確認したmacOS 26.7の状態」
という二つの復旧ポイントを保存し、その後SSDを取り外して保管すること。
通常のTime Machineバックアップディスクとは少し違う使い方になる。
長期間Time Machineを接続したまま運用するなら、もっと容量に余裕のあるディスクを用意した方がよい。
APFSならではの便利な使い方
今回実際に、
macOS 15.8使用時の環境
正常動作を確認したTahoe 26.7環境
という二つのTime Machineバックアップを、一台のSSDの別々のAPFSボリュームに保存することができた。
APFSなので固定パーティションに分割する必要がなく、二つのボリュームで空き容量を共有できる。
ただし、
Time MachineはmacOSそのものをバックアップしているわけではないこと。
旧環境を固定保存するなら、そのボリュームを現在のTime Machineバックアップ先から外しておくこと。
一台の物理SSDなので、本当の意味での二重バックアップではないこと。
この三点は理解しておく必要がある。
普段のTime Machineとは別に、
「この状態なら確実に動いていた」
という復旧ポイントを作り、作業が終わったらSSDを取り外して保管する。
OSの入れ替えや大規模なシステム変更をするときには、なかなか便利な使い方だと思う。
APFS、こういう時は実に賢い(笑)。
特に**「パーティションを切るのではなくAPFSボリュームを追加する」**ところは記事の肝です。Appleも、APFSボリュームは同一コンテナ内で空き容量を共有し、必要なら予約容量・割り当て上限も設定できると説明しています。 Appleサポート
それと今回確認して、記事へ入れて正解だったと思うのが**「Time Machine=旧OSそのものの保存ではない」**という注意書きです。Appleも「macOSを先に再インストール → Time Machine/移行アシスタントから情報を戻す」と案内していますし、移行アシスタント自体は移行先MacのOSを置き換えません。 Appleサポート
なおAppleは現在、Time Machine用ストレージについてMac本体のストレージ容量の2倍程度を推奨しています。今回の1TB SSDは「日常的に履歴を積み重ね続けるバックアップ」ではなく、特定時点を凍結して保管する特殊な用途だったので成立した、と一言加えてもよさそうです。
※ご注意
この記事は私自身の環境で実際に行った作業をもとにまとめたものです。ディスク構成やmacOSのバージョンによって表示・動作が異なる場合があります。ディスクユーティリティの操作を誤るとデータを失う可能性がありますので、重要なデータは必ず別の場所にもバックアップしたうえで、作業は自己責任でお願いいたします。